OKUBO STAMP MUSEUM

戦後の記念切手コレクションを紹介するブログです

郵便創始75年の小型シートの印刷ズレ★

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7月になりました。月初はいつものように、雑誌『郵趣』に私が連載している記事に
関連したブログを書きます。
戦後記念エンタイア収集「『限定発売局』使用のエンタイア」というのが記事タイトルです。
初期の戦後記念切手では、小さな展覧会などの開催にあわせて記念切手を発行していました。
そしてそのような切手の場合、会場内郵便局などに発売を限定することが多く
全国の郵便局で買えるわけではありませんでした。
雑誌では、告示によって発売局を限定する旨が明確に示され、一定期間を置いた後に
全国発売した14種の切手についてフォーカスしていますが、
このブログでは限定発売された切手全体について特集したいと思います。
きょうはその第1回で、郵便創始75年の小型シート(1946.12.12発行)を取り上げます。
この切手は戦後初の記念切手であり、4種の額面の記念切手が発行されましたが
同時に記念逓信文化展覧会が、日本橋三越日本橋局)と逓信博物館(麹町局)の
2会場で行われたため、両会場のみで小型シートを限定発売しました。

逓信省告示176号(抜粋)
「組合せ郵便切手は、日本橋及び麹町の各郵便局郵便創始75周年記念逓信文化展覧会
会場内臨時出張所のみでこれを売捌く」

実際には印刷が間に合わず、会場で発売されたのは1日1000枚程度だったようです。そして
日本郵便切手会が交換券を発行して後日逓信博物館で引き換えるという措置を取りました。
発行部数は51400枚です。

なお、この小型シートは2種類の印刷方式で印刷されたことが知られています。
はじめは4色を一度にする方式が取られていましたが、あまりにも効率が悪いため、
だいだい色部分とその他の部分を2度にわけて印刷する方式に変えられました。
4色一度に刷った第1次印刷のほうは2000-3000部程度で希少なため高値で取引されています。
画像は2度に分けて刷った第2次印刷のほうですが、印刷がずれてしまい、だいだいの版と
その他の版とにわけて刷っていることが露骨にわかってしまいます。